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新築

瓦の形や色は何種類あるの。

日本工業規格(JIS)は、瓦(粘土瓦)の種類を、製法、形状、寸法によって、次のように区分しています。

■製法による区分:釉薬瓦、いぶし瓦、無釉瓦(含塩焼瓦)の三種。

■形状による区分:J形、S形、F形の三種(三種いずれも、基本形となる桟瓦を中心に、葺く場所・用途によって、軒瓦、袖瓦、のし瓦、冠瓦など4~5種の瓦が組み合わせられる)

■寸法による区分:J形(6種)、S形(2種)、F形(1種)

この他に、それぞれのメーカー独自の色がありますので、順列組合せをするだけで、アッという間に数百種になってしまうことがお分かりでしょう。現在、当組合のメーカーが製造している製品の全種類を数えると、総数1200~1300種に上ると考えられています。ちなみに、最も基本となる「桟瓦」の“寸法の種類”を次に掲げておきましょう。

瓦は新築から何年もつの、また補償期間は何年?

地域の気候風土によって多少の違いはありますが、瓦は殆どメンテナンスなしに(もちろん割れなどの補修が必要です)、最低30年は大丈夫です。製品によって、色あせのような劣化は若干見られますが、機能(性能)的には、何の問題もありません。

3~5年に一度、「必ず」色の塗り替えをしないと機能が落ちてしまう金属屋根やスレート屋根に比べ、瓦の優位性は揺るぎません。(詳しくは【コチラをクリック】) もちろん、メンテナンスいらずとはいえ、長い間には、瓦がズレたり、割れたりということがありますので、専門の工事屋さんにチェックしてもらう気遣いが必要です。

ちなみに、新築の場合、住宅性能表示制度(品確法)を利用すると、10年間は保証されます。

新築時の瓦屋根に耐風、耐震の基準があると聞いた。それは何。

「ガイドライン工法」のことです。平成10年(1998年)、建築基準法が改正され、災害に強い家づくりが決められました。新築から10年間建築工事会社に、家の品質保証を義務づける「住宅品質確保促進法(品確法・平成12年施行)」なども、建築基準法改正の主要な柱の一つになっています。

この改正を受けて、瓦メーカーの全国組織である全国陶器瓦工業組合連合会、屋根工事の全国組織(社)全日本瓦工事業連盟、独立行政法人建築研究所等、屋根に関する民間団体が一致協力して設定した基準が「ガイドライン工法」です。

「ガイドライン工法」は、台風や強風時にも飛ばない瓦屋根、阪神大震災クラスの大きな揺れにも決して落ちることのない強い瓦屋根という厳しい基準を設定して、「災害に強い家づくり」を行うものです。したがって、今後これらの組織に加盟している会社で新築を行えば、台風や地震の時でも安心してお過ごしいただけるようになりました。

瓦屋根の家を新築したい。チェックポイントを教えて。

おめでとうございます。どのような家を新築されるかについて、全く情報がありませんので、新築の際に気をつけなければならない点について、いくつかのポイントを上げましょう。

日本は、ご承知のように、台風や地震など自然災害の多い国です。建物のデザインもさることながら、大切なご家族を守る「安全」面を第一に考えて下さい。次ページ以降の地図は、日本全国の「降雨量」、年間の「平均風速」、(台風)、マグニチュード3.0以上の「地震発生」地域を表したものです。お宅が建てられる地方によって安全の基準が異なりますので、要注意地区の方は、他の地域よりいっそう安全対策に留意すべきものと考えられます。

【雨の多い地域】

雨漏りは不快なだけでなく、家を長持ちさせる上で大敵です。雨仕舞をしっかりさせ、しかも換気が良く出来る点で、瓦屋根は、日本の気候・風土に最適な屋根材です。数百年前の立派な民家が、いまも堂々とした風格を保っているように、瓦屋根の家は、きちんと管理をすれば、二世帯(代)どころか、三世代~四世代まで長持ちします。

【風の強い地域】

「瓦が何枚飛んだ」ということが、風の強さを比喩的に表す言葉として、長く使われてきました。しかし、そうした時代はもう過去のものとなりつつあります。というのも、2000年6月の建築基準法の改正によって、風速に応じたガイドライン工法が決められたからです。

この工法では、風速46mの強風(時速248km、新幹線並み、50年に一度の大型台風)にも耐えられるような指示がされています。風速46mの地域は、日本全国の中でも沖縄県と鹿児島県の一部島嶼部に限られていますので、その他の地域は、これより低い基準になっています。新築の屋根工事の場合は、それぞれの風速に応じた基準が設けられていますので、(詳しくは【コチラをクリック】)この基準を守る工事になっているかどうかをチェックして下さい。

【耐震構造】

日本は世界有数の地震国として知られていますが、「地震がいつ、どこで起きるのか」、いわゆる地震予知については、残念ながら、現代の最先端科学をもってしても不可能という結論が出ています。地下のマグマの動きを観察する「ちきゅう号」プロジェクトなどが進行していますが、正確な地震予知ができるまでは、あと数十年はかかると見ていいでしょう。したがって、地震については、ふだんからの心がけが大切です。別図は、最近140年間に、日本及び日本近海で起きたマグニチュード3.0以上の発生地帯を示すものですが、地震が少ないといわれた関西で、阪神大震災が起きたように、日本全国どこでも大地震の起きる可能性がありますので、つねに用心を心懸けておきましょう。

阪神大震災といえば、「瓦屋根は地震に弱い」という誤った風評が、マスコミ等を通じて随分と流されましたが、あの時倒壊した瓦屋根の殆どは、土葺工法といって、屋根の上に盛土をし、さらに瓦を乗せるという古くからある葺き方の民家ばかりでした。自然と重量の重い屋根が上に乗り、柱に筋交いの補強がなかったり、虫食いなどによってモロくなっている場合には、ちょっとした小さな地震の横ゆれでも危険になります。現在新築される瓦屋根で、こうした古い工法より、ガイドライン工法を推奨していますので、瓦屋根だから地震に弱いという根も葉もないウワサは、いずれも払拭されることになるでしょう。

ところで、地震と木造建築の耐震性についてですが、驚くことに建築基準法では、必ずしも明確に決められているわけではないのです。

[建築基準法 20条]

「建築物は、自重、積載荷重、積雪、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対しては安全な構造でなければならない」

[同法施行令第39条]

「屋根ふき材、内装材、外装材、帳壁その他これらに類する建築物の部分及び広告塔、装飾塔その他建築物の屋外に取り付けるものは、風圧並びに地震その他の震動及び衝撃によって脱落しないようにしなければならない」

これだけでは、どのようにしたら耐震になるのかハッキリしません。平成12年の建設省告示第1457号(「屋根ふき材等の構造耐力上の安全を確かめるための構造計算の基準を定める件」)でも、複雑な計算式が決められていますが、木造2?3階建の低層住宅に適合する部分が少ないため、瓦工事業者では、自主的に標準となる工法を決め、それに従って工事を行うことにしました。これが「ガイドライン工法」です。ガイドライン工法では、一定水準以上の性能を保持することを決めていますので、ガイドライン工法を遵守する工事店に依頼するのが安心のためには必要です。(ちなみに、いわゆる悪徳業者でガイドライン工法を守っている所はありません。)

【雪の多い地域】

日本で雪の多い地域というと北海道がスグに想い起こされますが、日本海側の豪雪地帯も、積雪量では決してヒケをとりません。しかしながら、北海道では金属系の屋根が殆どを占めています。おそらく瓦屋根→重い→積雪でさらに重くなる、といった連想が、軽量といわれる金属屋根を普及させた要因でしょう。しかし、この理由にはあまり根拠がありません。寒さを防ぐ断熱性では、瓦屋根の方が断然上ですし、豪雪地帯として知られる秋田や新潟、金沢、福井などで、特別金属系屋根が多いということもありません。また、世界的に見ても、雪の多い国として知られる北欧3国やデンマーク、ドイツなどでは、瓦屋根が殆どです。 こうしたことから、雪の多い地方では、地域にふさわしい強化工法を施しさえすれば、十分優美な瓦屋根の家を新築することができます。地域で古くから営業していて、ノウハウの蓄積の多い専門工事業者のアドバイスを受けましょう。

瓦屋根の家は高くつくといわれた。本当の所教えて。

これは、屋根の価格を最終的にどのように考えるかの問題です。屋根は、一日で消費する生鮮食料品などと違って、非常に息の長い「商品」です。瓦屋根の商品の寿命は、ふつう30年といわれていますので、それを基準に考えると、その価格の中に次のようなものが含まれているのが分かります。

■新築(あるいはリフォーム)時の屋根の代金(材料費と屋根工事費、いわゆるイニシャル・コスト)

■メンテナンス費(30年間の間に必要とされる改修費、補修・修理費)

■冷暖房費など30年間に必要とされるエネルギー費

高い、安いという議論は、これらすべてを合計した上で比較しないと正確な所は判断できません。

瓦屋根は高いというご指摘は、おそらく上記の内の■(イニシャル・コスト)だけを比較しているものと考えられます。瓦屋根は、金属系やスレートの屋根に比べ、多少の割高(10%~20%程度)になりますが、■メンテナンス費、■エネルギー費については、断然他の屋根材を引き離し、合計の差し引きでは、むしろ「安く」なります。

増改築

昨日、訪問販売業者が来た。信用できるかどうか調べてほしい。

リフォームに対する苦情が残念ながら増えています。国民生活センターによると、1999~2001年の3年間に寄せられたリフォームに関する苦情相談、18,573件のうち、第一位が屋根のリフォームに対する苦情で44.0%、外壁のリフォームへの苦情が第二位、28.0%となっています。その殆どは悪質な業者によるものとされています。
屋根や外壁のリフォームについては、特に国の決めた業者資格を必要としませんので、誰でも参入できるのです。とくに訪問によるリフォームの場合、「キャンペーン期間中」とか「屋根の無料診断」とか「地震診断」という名目で推めることが多いようですので、注意した方がよろしいでしょう。
その業者が全日本瓦工事業連盟の加盟店であれば安心です。

瓦屋根診断技士ってあまり聞いたことがない。どんな資格?

屋根工事は、本来極めて高い施工技術・技能を必要とする仕事です。したがって、国でもすぐれた技能の持ち主に資格を与えています。
[1]厚生労働省・国家資格:かわらぶき技能士(一定の実務経験年数の上に、学科と実技の国家試験に合格した者)
[2]全日本瓦工事業連盟認定:瓦屋根工事技士
「瓦屋根診断技士」は、国交省所管の公益法人(社)全日本瓦工事業連盟(全瓦連)が、上記[1]、[2]の両資格を合わせ持つ、高い技術、技能を持つ工事技術者に与える資格ですから、わが国では、最も信頼できるプロフェッショナルな資格といえましょう。
有資格者がどこにいるかは、全瓦連加盟会員に直接お尋ねください。また診断費用は、地域や診断士のいる工事店によっていろいろですので、これも直接お尋ねください。

リフォームの保証期間は何年。法律で決められているの?

新築住宅の場合は、平成12年(2000年)4月1日から、工事請負契約や売買契約において10年間の「瑕疵担保期間」が義務づけられるようになりましたので、修理や賠償の請求ができるようになりましたので安心ですが、リフォームの場合は、残念ながらこうした法律の保護はありません。
したがって、リフォーム時には、工事業者と直接交渉して、保証期間について、契約書の中に書き込むことが大切です。但し、民法637条では、屋根工事等の請負工事について、瑕疵担保責任期間を1年間と定めていますので、1年間の保証はあります。したがって、保証期間は、2年目以降どれくらいの期間かを交渉することになります。

リフォームする時期は建築後いつ頃が目安?

大変難しい質問です。通常粘土瓦の場合は、きちんとしたメンテナンスさえ良ければ、30年はゆうに持ちます。
しかし、瓦が破損している、瓦のズレがある(地震だけではなく交通量の多い道路脇など)、雑草やコケが生えたままになっているなどの場合は、想像以上に傷んでいるケースがあります。瓦そのものは美しく見える場合でも、こうしたケースでは、屋根を支える構造材に被害が及んでいることも考えられます。
瓦屋根を長持ちさせるには、数年に一度、工事をした工務店または屋根工事店のチェックを受けて下さい。お宅の場合はまずこうした屋根診断を受けた上、ご判断ください。

リフォーム契約時のチェックポイントを教えて。

屋根のリフォームはもちろん、リフォーム全般について相談を受け付けている国民生活センターの専門家が「消費者へのアドバイス」として、次のようなチェックポイントを挙げていますので、それをご紹介します。
(1)契約する前の留意点
1:訪問販売では、できるだけ契約しないこと。
2:工事を依頼するかどうかは、手間と時間をかけて十分検討すること。
3:業者の説明を鵜呑みにしないこと。
(2) 契約する時の留意点
1:複数の会社から詳細な見積りを取ること(見積書の提出を渋るような業者とは契約しない)
2:必ず改修計画図(書)と、工程表の提出を求める。
(3) 契約した後の留意点
1:訪問販売の場合、工事が開始した後でも、クーリングオフ期間内(書面でクーリングオフを知らされた日を1日として8日間)であれば解約できる。
2:工事が完了しても契約通りの工事がされているかを確認するまでは、代金を全額支払わないこと。

訪問販売なのに、クーリングオフがきかないといわれました。

クーリングオフ制度は、悪質な訪問販売業者や通販業者から消費者を守るために制定されたものですが、無限に守ってくれるものではありません。消費者に落ち度があったり、訪問販売に該当しない場合は、クーリングオフ制度の対象になりませんので、気を付けて下さい。
  屋根工事の場合、次のケースの場合は、クーリングオフの保護を受けられませんので、注意が必要です。
(1)自分の方から業者に連絡をし、契約することを前提に訪問してもらって契約した場合。(見積りを頼んだり、屋根診断を依頼する時はこの限りではありません。但し、予め日当など経費がかかるかどうかを必ず確認して下さい。)
(2)過去1年以内に、1回以上の取引をして店舗販売業者と訪問販売で契約した場合。
(3)過去1年以内に、2回以上の取引をした無店舗販売業者(いわゆる通販業者のこと)と訪問販売で契約した場合。
  屋根工事の場合、(3)のケースはあまり考えられませんが、(1)、(2)についてはよくあるケースなので、ウッカリミスは避けて下さい。
  また(1)~(3)の場合でも、業者の方に過誤がある場合(契約に必要な図面を渡さない、契約書の内容と工事の内容が違う等)には、十分救済措置がありますので、(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター【コチラをクリック】など、専門の機関にご相談下さい。

修理

雨もりが止まない、どこに頼めば調べてくれる。

雨漏りというのは、実は大変やっかいなもので、瓦が割れたためといった単純な理由だけで起こるものではありません。外見上は、何の異常も見られないのに、雨漏りが止まないというご相談はたくさん寄せられています。雨漏りの原因は千差万別ですので、スグに全瓦連加盟の屋根工事店に頼んで下さい。
雨漏りの意外な原因として、例えば、2階の外壁にヒビが入って、そこから雨水が浸入したり、配線用の電線を伝ってしのび込んだり、瓦のわずかなズレによるスキ間から、毛細管現象によって天井裏に雨水が入ってきたり、プロでなければ分からないことがたくさんあります。中には、雨水ではなく、ネズミのオシッコだったという例も報告されていますので、屋根や家の構造材に影響を与えないように、早めに処理を行って下さい。

修理を頼んだら、全部変えろといわれた、信用できるか。

瓦の寿命はふつう一世代(30年)といわれています。親が建てた家を、その次の世代(息子や娘の時代)に葺き替えれば、木造住宅でも100年は十分に持つという意味です。普段の管理が良ければ、50年~60年持つ瓦も少なくありません。したがって、屋根材の中で、瓦は最も長持ちする、経済性にすぐれた屋根材といえるでしょう。
ご相談のケースは、瓦の割れた個所が問題ですが、瓦に問題があるというより、屋根の下地材が腐ったりして、その被害が屋根全体に及んでいるケースが考えられます。こうした場合は、瓦はそのままで使用できますので(一部の補充は必要)、下地の工事が中心になります。心配でしたら、業者を1社にしぼり込まないで、2~3社の見積りを取って、別の見方(本当に葺き替えが必要かどうか)や意見を参考にすることも大切です。

5~6枚の瓦の交換なので自分でしたい、注意する点は?

お気持ちは分からないではありませんが、屋根の工事は、たとえ瓦4~5枚程度の修理でも、素人にできるほど簡単なものではありません。厳格に言ってしまうと、国家資格(かわらぶき技能士・厚生労働省、瓦屋根工事技師・国土交通省)の必要な高度な技術を必要とする仕事です。第一、おっかなびっくり屋根に上ったとして、何かの拍子で滑落して大ケガを負ったりしたら、元も子もありません。ハシゴを掛ける樋カバーもなく、瓦屋根の上の歩き方も知らないまま動き回ったりすれば、5~6枚で済むはずの瓦が、踏み割れなどによってかえって数が増えて、収拾がつかなくなってしまいます。
プロにはプロしかできない、素人では踏み越えることのできない世界があります。専門の工事業者にまかせるのが、結局おトクで安上がり、きれいに仕上げる一番の安全策です。

同じ瓦が無いので注文になるといわれた、本当に無いのか調べて。

こうした場合の解決策では、次のような選択肢が考えられます。
・その瓦を作ったメーカーに手作りでも同じものを作ってもらう。
・修理する部分の瓦を、目立たない部分(例えば建物のウラ側のほう)や見えない部分の瓦をはずして修理し、はずした部分には、同じような色づかいの瓦で代用する。(多少の色ズレは我慢する)
前者の場合はかなり費用がかさみますので、あまりお薦めできません。どうしてもというご希望であればメーカーをご紹介することができます。一般的には後者で十分だと思います。次回の全面葺き替えの時まで待って、一新するというのが無難な選択といえましょう。

修理の時でも契約をした方がいいのか。契約書のサンプルを見せて。

これまで簡単な修理などの場合、口約束だけで双方が十分満足が得られることが多かったようですが、頼むほうも頼まれるほうも初めてといった場合、どうしてもトラブルが発生しがちなことを見込んで、新聞記事が書かれたものと考えられます。
とくにここ十数年、悪質業者が高齢者をダマして高額な工事料を請求する事件が多発したために、警告の意味も込めて書かれたものかもしれません。
ご指摘の通り、理想を言えば契約書(工事請負契約書)を交わすことがいちばんですが、簡単な修理の場合は、見積書でも十分代用することができます。但し、見積書には、以下の項目を業者に明記してもらいましょう。
・工期(工事期間及び引き渡し日)
・仕様(工事場所・図面等で明記。工事内容)
・見積書(一式計算ではなく内訳を細かく記載してあるもの)
・支払方法、期日
・工期遅れ、追加工事等の場合の処理方法
・除外事項(上記見積りや文書に含まれない項目の明記)
もちろん、これらの事項をそのまま契約書にして、双方で署名捺印することもできます。
これ以外にも第三者保障(工事業者が工事中の第三者への事故の手当てのための保険に加入しているかどうか等)などの項目をつけ加える必要もあります。いずれにしても、信頼できる工事業者を選べば、こうした心配をしなくても、安心して補修・修理を頼むことができます。

トラブル

悪質商法について、詳しい情報はどこにありますか。

訪問販売や電話での勧誘など、様々な悪質商法の被害が出ております。以下に有益な情報が載せられているのでご参照ください。

(財)日本消費者協会
生活に関する苦情相談。悪質商法に関する小冊子などもあります。

(独)国民生活センター
悪質商法の情報や、消費者からの相談事例、くらしの判例集など。

(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター
住宅に関する相談の受付など、消費者の利益の保護を支援。対処法など聞けます。

(社)日本訪問販売協会
訪問販売法についてや、クーリング・オフによる解約のしかたなど。

契約を解除したい、どうしたらいいか教えて。

ご相談の件は、おそらく訪問販売の件でしょうが、クーリングオフがききます。
  特商法第9条には「書面により契約の解除を行うことができる」と書いてありますが、口頭(電話)によるクーリングオフも有効と認める判決もでていますので、裁判に持ち込むまでもなく、契約は解除できます。
  但し、文書で契約解除をしたいむねを書いて、書留または配達証明で相手先に送って下さい。訪問業者の営業マンの中には、クーリングオフ制度や特商法についての知識が皆無で、おどし口調で根拠のない話(いま解除すると違約金が半分とられるなど)をする人間もいますので、ご注意下さい。仮に業者が応じない場合は、専門のトラブル処理センター【コチラをクリック】がありますので、ご相談下さい。

工事が始まったら解約ができないといわれた。本当か。

リフォーム工事に限らず、契約行為というのは、双方の責任を伴います。相手側が契約内容に違反したり、法律行為に反しないかぎり、どんな契約であっても、解約する場合は、違約金等を支払わなければなりません。
契約書を取り交わしていなくても、口答で工事をお願いしたのであれば、契約が成立したと見なされますので、今後は工事が約束通りきちんとなされているかどうかを見守ってください。仮に相手が訪販業者であったり、明らかにズサンな工事であったりした場合は、法律での救済措置がありますが、それ以外の場合は、設計事務所の方がいう通り、「極めてむずかしい」ものになるでしょう。したがって、契約(工事の依頼等)をする時は、慎重の上にも慎重を期すことが大切です。

クーリング・オフの書式サンプルがあったら教えてほしい。

 お母さんがご自身で業者を呼んだのでなければ、また契約日から8日以内であれば、クーリングオフの対象となりますので、契約書に記入している方の名前で下記のような文書(はがきよりも封書)を相手先に送ってください。
またクレジット契約になっているようですから、クレジット会社にも同趣旨のものを送ってください。
文書はそれぞれ3通(計6通)必要となりますので、コピーしてから印鑑を押します。文字数等の規定は、郵便局で教えてくれます。配達証明は、小さな特定郵便局では扱っていませんので、本局に行って手続きをしてください。

クーリング・オフは、屋根の工事でもOK?

 明らかに間違いです。お友達のケースは、詳細を伺ってみないと判断できませんが、屋根工事や外壁の張り替え工事は、「特定商取引法」(旧訪問販売法・【コチラをクリック】)の規制対象ですので、クーリングオフ(契約解除)をすることができます。
  但し、その契約が訪問販売を受けた契約であること、契約後8日以内であること等の条件がつきます。この条件を満たす場合であれば、違約金や材料費等を一銭も払うことなく(しばしば業者は、いろいろと口実をつけて請求してくるようです)、通知するだけで契約を解除することができます。しかし上記の条件(訪問販売ではない、8日以上経っている等)を満たしてない場合は、別の解決方法を探らなければなりませんので、ご注意下さい。(相談窓口は→【コチラをクリック】
■特定商取引の対象商品
   特定商取引とは、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引(マルチ)、特定役務提供(エステ、語学教室など)、業務提供誘引販売取引(アルバイト)、ネガティブ・オプション(商品の一方的送付)の7種をいいます。それぞれの取引の指定する商品、権利、役務等は多岐にわたりますので、詳しく知りたい方は、【コチラをクリック】へアクセスしてください。ちなみに、屋根工事は、訪問販売の指定役務の中に含まれています。

いまなら工事代金半額サービス期間といわれた。信用できる?

まずその業者が「全瓦連」あるいは「(社)日本訪問販売協会」【コチラをクリック】の加盟店あるいは会員であるかどうかを調べて下さい。
  いずれにも該当しない場合は、要注意です。またインターネットのリフォーム・ネットをクリックすると信用のおける業者の見分け方が掲載されていますので、それらもチェックして下さい。
  工事のトラブルの殆どは、しかるべき業界団体に加盟していない業者が起こしているという国民生活センターの調査もありますので、ご相談のような「甘い話」にはのらないほうが懸命でしょう。

屋根の「無料点検」を受けたら請求書が送られて来た。

悪質業者の手口がどんどん巧妙になってきて、こうした事例も2~3ではないようです。トラブルに巻き込まれるのは誰でもイヤなので、消費者相談センターに頼んでも、結局示談になって半額程度で折り合うことになるようです。業者のほうは、最初からそれが狙いですので、屋根工事に限らず無料相談や半額サービスなどというセールス手法を看板にしている話には、絶対にのらないで下さい。
  ご相談の件は、法律スレスレのケース(相手にそれなりの口実を与えてしまっている)ですので、住宅紛争処理支援センター【コチラをクリック】に相談してください。

その他

瓦屋根は重いから、地震を考えると止めたほうがいい?

全く根拠のないそうした話が流布しているのは本当に残念です。とくに阪神大震災以降、地震と瓦のイメージがセットになって流されるようになったため、ウラに何か意図的なものがあるのではないか、と疑いをかけるメーカーも出ているほどです。
  阪神大震災の時、たしかに北淡地域の瓦葺屋根の倒壊した映像が、1日何十回も繰り返し放映されました。このため、地震と瓦屋根のイメージが視聴者の記憶に強く刻まれるようになったのは不思議ではありません。しかし、ビクともしなかった、それ以外の数多くの瓦屋根の映像は、殆ど話題にもなりませんでした。テレビ報道は、センセーショナルな映像を好みますが、メーカーの立場から言わせてもらえば、冷静で客観的な報道とはいいがたいと考えています。
  愛知県陶器瓦工業組合などでは、瓦屋根の安全性向上のために、繰り返し科学的なテストを繰り返し(詳しくは【コチラをクリック】)、すぐれた結果を残しています。こうした噂に惑わされず、美しくて丈夫、最も優れた屋根材である瓦を今後ともご愛用下さい。現在では、ガイドライン工法を推奨しております。

住宅完成保証制度は、地震の被害を保証してくれますか。

残念ながら全く関係ありません。この制度は、(財)住宅保証機構が実施している制度で、中小の住宅建設業者が、工事を受けたにも関わらず、途中、倒産などによって工事を続けられなくなった場合、代わりの業者をあっせんし、工事費の一部を保証して、発注者(施主)のために、家を「完成」させるための制度です。
この制度は、当初、新築工事のみを対象としていましたが、平成11年度からは、リフォームなどの改修工事(但し500万円以上、詳しくは【コチラをクリック】)にも拡大されるようになりました。もちろん、最初の工事業者がこの制度に加入していなければ、こうした保証も無縁です。
たしかに、この制度に加入していれば「安心」ですが、「地震被害の時の修理の心配はいらない」ということですと、全くのデマですから、ご注意下さい。

「品確法」の10年保証は地震も保証の対象?

平成12年に施行された「品確法」(住宅品質確保促進法)は、10年間にわたって、建築工事によって生じた瑕疵(修理を要するような欠陥やキズ)を、無償で修理するよう、建築工事業者に義務づけています。手抜き工事を無くすこと、良質の住宅を提供することが、法律のねらいです。
したがって、それ以外の要因、例えば地震などの被害は、この法律の対象にはなっていません。現在の地震の被害による建て直しや修理を保証する制度は、それぞれが任意で加入している「地震保険」しかありません。阪神大震災の時に、全壊した家のローンを払い続けながら、新たにまた建て替えのローンを組まなければならない悲惨な例が話題となりましたが、地震被害に対する保証については、あまり改善がなされたとはいえないようです。ご心配の場合は、最低でも地震保険に加入するなどの自衛策が必要です。

品確法と評価住宅の違いを教えて。

平成12年に施行された「品確法」(住宅品質確保促進法)は、10年間にわたって、建築工事によって生じた瑕疵(修理を要するような欠陥やキズ)を、無償で修理するよう、建築工事業者に義務づけています。手抜き工事を無くすこと、良質の住宅を提供することが、法律のねらいです。
したがって、それ以外の要因、例えば地震などの被害は、この法律の対象にはなっていません。現在の地震の被害による建て直しや修理を保証する制度は、それぞれが任意で加入している「地震保険」しかありません。阪神大震災の時に、全壊した家のローンを払い続けながら、新たにまた建て替えのローンを組まなければならない悲惨な例が話題となりましたが、地震被害に対する保証については、あまり改善がなされたとはいえないようです。ご心配の場合は、最低でも地震保険に加入するなどの自衛策が必要です。

工事のはじまりから終わりまで、工程を教えて。

屋根工事は、屋根の形状や瓦の種類また地方によって違いますので、ごく一般的な事例を紹介しましょう。瓦をのせる下地材の工事までは、建築業者の仕事になります。

・下地材の施工
・瓦と副資材の現場搬入
・下葺き、瓦桟木打ち:下葺きは、耐水用の合板やアスファルト・ルーフィングなどの施工。瓦桟木打ちは、瓦を引掛けるための桟木を下地材に固定する作業。桟木打ちのためには、瓦の寸法に合わせて正確な墨打ちが不可欠です。
・瓦揚げ:瓦揚機で、瓦を屋根の上にあげる作業。
・地葺き(平葺き):屋根の大部分を占める平部や軒部、袖部、棟部、谷部、壁際部などに、次々に瓦を葺いていきます。瓦工事の半分は、この地葺き作業にあてられます。ちなみに、桟瓦の屋根の葺き方には、右側から前の瓦の下に差し込んでいく「差し葺き」と、左側から前の瓦にかぶせていく「かぶせ葺き」の2種類があります。この時、下地材にどの程度緊結するかによって屋根の強度が違ってきます。
・棟積み:屋根の頂上部にあたる部分の施工です。おなじみの鬼瓦は、この時に取り付けられます。
・掃除点検、作業終了

ふつうの民家での瓦工事は、約10日~2週間程度(休日を除く)の工事期間を要します。